ソーセージ事件

 それは突然であった。←普通形

 給食。それは刑務所の食事のようであるが、一応は味にもこだわっているということを知らしめながらも、えてしてそうではないという事実もまた真なり。

 小学6年の事件の話です。休みの生徒が出るとプリンのときと同じように、余りのそれを、奪い合う、つまるところ、デッドヒートが男子の中で繰り広げられたものです。

 しかーし、その日は、女子の18人中、15人がソーセージを取らずにバットに残したままだったのです。余りものに目がない男子にもその異様さが伝わり、そのソーセージは誰にも手を付けられずに廃却へ

 この事件はここがスタートでした。その2週間後にもソーセージが。なんと女性の17名、つまり、それは、ある一人の女子、教師の言葉、学校の権威至上主義の女子一名を残し、それ以外の女子分のソーセージが残っているではありませんか(ねじれ文)。これをみかねた女性教務は食べろと正した。しかーし、女子は動こうとしない。

 男である私だったら怖気づいてバットの中のそれをおずおずと取りに行ったろうことは目に見えて明らか。束になった女は侍一人以上の力を持つと言ったのは某剣士。

 感染。その数週間後のソーセージはなんと、男子の一部、つまり、女子に近い男子にも感染し、総数の過半数がバットを占めたのです。

 事件はそれに留まりません。なんと隣のクラスにまで波及。百人いる6年生の70%以上がソーセージ食べない派になってしまいました。それに対して教師は、

 何もできなかったことを記述せねばなりません。この年齢の女子は本当に怖いことを身にしみて知っている教師たちでしたから、男子のいたづらには顔の2、3でもひっぱたけばいいのですが、手が出せなかったのでしょう(当時は教師の学生への暴行はアリでした)。

 そこで、根本的な疑問。どうして女子はソーセージを拒んだのか?その答えを私は40歳手前でやっとわかりました。おそーーー。

 まだ小学生だから、そんなこと考えるなんておもわなかったもんでねえ。