『第二言語としての日本語の発達過程』を読んで

読書感想文3です。

2の『認知的アプローチから見た第二言語習得』の人が
2015年に出したものです。

おもしろかったです。

外国語を習得するということは、その目標言語の思考(その言語のもとになる
世界の見方)を習得することだそうです。そうだとすると言語によって違うわけで
第二言語が目標言語母語話者の習得と同じ発達をするのもうなづけます。

その発達段階とは~、

国語学習者のレベルを5つに分けたのが英語に
あったのを日本語に応用・改変をしたものを作ったということです。

Processability theory(処理可能仮説)がその発達段階の基盤となっています。
語→句→文→複文・文脈処理の順に処理が難しくなり、それが発達の順序に
関わっているとのことです。処理コストがかかるぶん、オンラインでは処理が遅れる、
しかし、インテイク、アウトプットが豊富にあれば、処理速度があがり、上のレベルの
人になるということです。

第1段階(語・表現)、第2段階(語彙・範疇処理)、第3段階(句処理)
第4段階(文処理)、第5段階(複文・文脈処理)

OPIの語人間(初級)→文人間(中級)→段落人間(上級)→複段落人間(超級)と
よく似ていますね。

同じ段階に出現する言葉であっても、上の段階のときに現れ出す場合があります。
それはONE TO ONE PRINCIPLE(1つの目標言語に1つの意味を当てて使う)、
同段階での処理コスト(例)肯定→否定)の違い、 母語話者でもあまり使わない表現、
がそうさせているということです。

ある研究者がOPI対して文が長ければ上位の話し手か?本当か?ということを言って
いましたが、そういうことを言っているのではないとわかる本です。