日本語教育

教育という暴力

宗教 今の自分、将来の自分、人との関係、神との関係を導くもの。 どんなに大きな宗教であろうと何%かの人を取り込むだけ。 大きくなればなるほど分裂を起こす。細胞のように。 教育 善意が前提で、人類すべてに適用できるものと 考えているふしあり。何とか…

『タスク・ベースの英語指導-TBLTの理解と実践-』を読んで

PPPの批判から始まります。PPPというのは presentation(導入/提示)→ practice(練習/ドリル)→ production(応用/表出)の 順でやる方法のことです。 ほとんどのテキストが文型積み上げ式で構成されているので、 効率のいい教え方なのでしょう。 そうじ…

『日本語教師のための雑談指導のススメ』を読んで

前回の『雑談の招待』のメイン本です。 この本は、「おわりに」で書いてあるとおり 「本書で紹介した内容を学習しても、日本語能力試験(JLPT)の点数が上がることは まずないでしょう」 ですが、 「『雑談力』をアップすることは学習者一人ひとりの日本滞在…

『アクティブラーニング型授業としての反転授業』を読んで

『アクティブラーニング型授業としての反転授業』(理論編)(実践編) 2冊あります。 流れとして、理論編→実践編だろうからそうしました。 (理論編) もっと詳しくアクティブラーニング、反転授業の考え方、経緯、定義を 知りたかったのですが、そんなのは…

『雑談の正体』を読んで

またまた清水崇文氏の著書です。 これもたまたまです。本を買う時は、タイトルとサマリーで決めてしまうので、 意図して選んでいるわけではありませんが… 研究系を中心としたものから、巷では「雑談」系のマニュアル本が幾多と あるそうで、それも加えて解説…

『コミュニケーション能力を伸ばす授業づくり』を読んで

著者は清水氏。知らず知らずにこの人の書いたのをいくつか持っていました。 これは読みやすくて、サッと読んでしましました。 内容は、 コミュニケーションに必要なものは「構造の知識」だけではなく、「運用の知識」も 必要だそうです。授業ではどうしても…

『第二言語としての日本語の発達過程』を読んで

読書感想文3です。 2の『認知的アプローチから見た第二言語習得』の人が 2015年に出したものです。 おもしろかったです。 外国語を習得するということは、その目標言語の思考(その言語のもとになる 世界の見方)を習得することだそうです。そうだとすると…

『認知的アプローチから見た第二言語習得』を読んで

読書感想文の2です。 『日本語教師のための新しい言語習得概論』(2004)の第二弾として出たのかな。 (2004)をもう一度読んでから、『認知的アプローチ』を読もうかと思ったけど、 読み返ししませんでした。 でも、基本的なところは(2004)で補って、読…

『認知言語学を英語教育に生かす』を読んで

読書感想文です。 まず、本が厚いわりには、字が大きく、1ページの字数も少なく、 いい意味も、悪い意味でもすらすら読めます。 前半が理論面で、後半が実践面です。 理論面は分かる人にはわかるが、分からない人にはわからないかなあと思います。 実践面は…

漢字をいい感じに

ゴルゴ松本がよくやってる漢字のヤツ。 例えば、「辛い=つらい」に横棒をひくと「幸せ=しあわせ」になる みたいなことって、日本語教育にも使えますよね。 でも、その反対に、 例えば、「暗い=くらい」。「日」が2つもあるのに「くらい」 「明るい=あか…

忘れるためにする試験

今働いているところでは中間試験が2回あります。 期末試験を入れると計3回大きい試験があることになります。 初めは3回のテストはいいと思っていました。 「試験は学生を鍛える」と言った人がいましたが、 今では「試験は忘れるためにする」と思ってしまい…

変な日本語を話す外国人を量産するの巻き

「どうぞよろしく」って皆さん、使ったことあります。 数10年前、とんえるずがサラーリーマンのコントか何かで 「よろしく、どうぞ」って電話をきるさいに言ってたのを覚えていますが。 「どうぞよろしく」は使いませんね、こんな日本語。 日本語教師は 平然…

アップテイクは正用の印か?

今『フィードバック研究への招待』を読んでいます。 それで、アップテイクと言う言葉が出てきます。例えば、 学生:今日は暑いじゃないです。 教師:え?暑いじゃない… 学生:おう、暑くないです。←アップテイク 教師のフィードバックで学生が自己訂正するこ…

日本語教育の中所得国のわな

経済の用語に「中所得国の罠」というのがあります。 ①発展途上国では労働賃金が安いため、先進国の企業が その国で生産ラインを作る。 ②そのことによって、新しいシステム、品物、人材が集まり、経済が上がり、 発展途上国から先進国2軍入りする。 ③技術、…

話せないから話さない?

私はいくつかの日本語教育機関を渡り歩いてきました。 というと、カッコいいですが、早い話がずっと同じところにいると ケツがムズムズと… ま、それはいいとして、現在のところでも同じく ローカルの教師は日本語を使っていないんです、学生と。 学生が日本…

漢字(感じ)って何(難)だろう

現問題のある企業が現首相の名前を「安倍」じゃなく、 「安部」と名前札にしていたと批判的に記事にしている ものを読みました。それを書いた人は教養的に批判しているのだと 解釈しました。上から目線ですね。漢字至上主義がまだ教養あると自認する人に は…

おはいよございます

この間違いはよくありますね。 おはいよございます 「い」は何でしょうかね。「よ」の長音もない。 この「よ」が問題の鍵になります。 yo→ io→ iyo 半母音の「よ」が「いお」と2拍になり、母音連続を嫌って、「y」が挿入されたと見るべきでしょう。 長音が出…

常勤、非常勤

日本語教育だけじゃありませんが、常勤、非常勤と言う言葉があります。 つまり、正社員とアルバイト、パートの違いを表したものです。 国内の日本語学校は非常勤で持っています。いつでもくびがきれるように。 大学でも独立採算制になって、若手の語学教師を…

残念ですね

A:昨日、ケータイ落としちゃった。 B:??えっ、それはざんねんでしたね。 上のBのような発話は学習者に見られますね。なぜダメなんでしょう。 「残念」は「(期待、希望したように事が運ばなかったり、長続きしなかったりして)物足りない気持ちが あとまで…

キャラバン@プノンペン

ここカンボジアではJFと大使館が主催で1年に一度日本体験をしてもらうために数箇所の高校へ行きます。行くのは教師や学部生、または一般の日本人です。日本のことや歌、浴衣体験などをしてもらいます。もう数年やっているらしく、このキャラバンがもとで日本…

会話試験の時間

会話試験の時間ってどうしてこんなに長いんだろうと思いませんか。 それでいて、学生が一番試験勉強をしない科目でもある。 それでいながら、学生が一番上達させたいと願う科目でもある。 そうなのだが、試験管が一番主観の入りやすい科目でもある。 やり方…

クメール人学習者の発音

①J音とY音の混同:これはスペイン語話者にも共通しますね。 Q:家の近くに何がありますか? A:ジャマです。 →Aは「山」と言いたかったようです。 Q:えっ? ②RY音とY音の混同 A:ヨーイが得意です。 →Aは「料理」と言いたかったようです。 ③KY音とCH音の混…

漢字と原発

日本語の勉強で一番嫌いな授業のトップにいつも入るのは 作文と漢字の授業ですね。作文は教師の持っていきようで 何とかなるんですが、漢字はどうしても単調になりがちです。 さらに、それが千、2千と続くんですからたまらない。 はやいとこ廃止したいんです…

手渡し

現在カンボジアの大学で働いています。 給料は手渡しでもらうんです。銀行の振込みじゃありません。 給料を手渡しでもらうのは日雇いのバイト以外にあったけなあ… だから、銀行の口座を開設していません。 初めて銀行のこうっざを作ったのはいつの日だったか…

やさしさ

「自分に弱い者は人に優しい 自分に強い者もまた人に優しい」 優しさには2つあるということですな。 日本語教育では後者の優しさよりも 前者の優しさがオウコウしてるのですなあ。 学生がかわいそうだと言って…

助詞上げ

日本語教育で初級文法の要は助詞と思われているようです。 「は」「に」「で」「に」「が」「へ」などが初級に出てきます。 それで教師は助詞に焦点を置くため、どうしても 文章の中の助詞を無意識に高くして発話しがちです。 そのようなことで、通常の会話…

「でしょう」は使うか、いなか

最近では初級の各文型が本当に必要なのかどうかという 議論がされています。 でも、新しい教科書をみるとほとんど変わっていない印象を受けます。 あったとしても、「~ません」が「^ないです」に変わったぐらいか…。 タイトルの「~でしょう」も確認の「…

クラスを分けるとき

当然ですが、学習者にはいろいろな人がいます。 タイプに分けて教え方を探ろうとしている研究者もいます。 一番簡単な分け方は「できる・できない」でしょう。 成績を見て上位と中位と下位に分けてクラス編成も それにあわせることも可能です。 しかしながら…

普通の語彙感覚

初級の教科書の前半で必ずでてくるのは 「親切」。それで学習者は下のような文を作ります。 ①私の母は親切です。いつもお菓子を焼いてくれます。 一般の母語話者にはどこか変に感じるでしょう。でも、 日本語教師(特に経験が長い人)はごく普通で、何がおか…

語学の教師

「教えられたように教える」って、よく言われますね。語学の教師は 自分が学生の時、習った方法(訳読法など)で教えてしまう傾向にあるという ことですが、それを自分に当てはめてみると、そうでもない。 あんなつまらない授業なんかしていない。 クラスの…