そうでモない!(2)

 前回は「そうでハない」と「そうでモない」の違いについてかきました。「ハ」の方は全否定で、「モ」の方は部分否定だといいました。そして「pはqだ」のqは程度表現ではないと「モ」が使えないことにも触れました。

 1)PはQだと考えられる。
 2)PはQだとモ考えられる。

 例2には「モ」がある。「モ」があると「Pは○だ」の「○」にQ以外があることになり、「考えられる」想定が○のほかQも加えられるとなる。それで、「モ」は「想定の追加」をマークするということができる。
 しかし、「モない」となると少し厄介に思える。否定があるからだろう。追加(プラス)の方向とベクトルが違うから、引いていいのやら足さなきゃならないのか…

 3)P→Q
   Q⊃q1
  ∴P→q1
 4)P∧~q1

  Qのカテゴリに含まれるq1だと問題がない。ところが、「モ」は~(not)でも、つまり「qではない」もPのカテゴリに入れるマークとなります。(4)がそうです。「∧」は「かつ」で「Pであり、また~q1である」ことを表しています。

 上で見てきたように「でモない」はQのカテゴリに入らない要素~qをPに加えることを示します。

 5)A:試験監督って楽ですね。
   B:そうでモないよ。

 上の(5)Bは「試験監督」は「楽」のカテゴリに入らない要素があることを述べているといえます。