その場主義国

 またまたわけのわからない「お達し」がありました。女中さん(これって差別用語?)用の日本語教育カリキュラムを2週間以内につくれ、というものです。

 計画性全くゼロ。聞くところによると労働省が国内で海外輸出用のお手伝いさんを育て送り出すための予算に莫大な金額が通ったらしいんです。

 日本向けだけではなく、アメリカ、イギリス、中国、韓国が対象です。韓国ではそれなりの需要が見込まれることが予想されているそうで、実験的に韓国向けが既に始まっているようです。

 このカリキュラムは各大学に製作させ、いいものをとりあげるという競売制になっています。それは大学は飛びつくでしょう。莫大なお金が転がり込んでくるんですから。

 で、どういう状況下でどのような会話があるのか、雇う側はどんな日本語を期待するのかといった下地つくりは一切眼中になく、ただ形式だけ整えればいいのでしょう。

 で、大学側はこの計画の細部は全く知りません。私が書いた上の情報も曖昧な中からこうであろうという推論の一つでしかありません。いつもこうです。わからないけど、いいものつくれ、です。いいものというのは形式さえ整っていればいいものです。先のことなど考えていません。大学も大学なら、国も国です。

 この計画というのはタイだけの計画でしかなく、相手国の承認など考えていません。日本用のお手伝いさんがそのカリキュラムを終了しても働き口があるとは思えません。

 国民に向けたアメとしての計画なのでしょうが、こんでいいの?といいたいけど、タイ人にはこう言われるでしょう。

 やっとわかったの? この国。 Welcome to Thailand