旅恥19

 朝方ニアス島に着いた。砂浜が広がるところかと思っていたが岩がむき出しの小さな港だった。陸に下りた。まだ船に乗っているようで体がゆれている。

 近くに小さなレストランがあったのでめちゃくちゃ甘いコーヒーを飲みながら次に何をするか考えた。

 サーファーが集まる海岸があるらしいのでそこに行くことにきめた。が、アシがない。ちょうど島の反対側にあり行くには歩いてはいけない。バイクの近くでたむろっていたおやじ達に乗せて行ってくれるか頼んだ。

 はじめは渋っていたが金額の折り合いがつきなんとか乗せてもらうことになった。少しぐらいの時間だから乗り心地が悪くてもいいやと思っていた。間違いであった。

 ほとんど舗装のされていない道を延々と走った。途中いくつかの村をぬけた。インドネシアは90%がムスリムだがこの島はクリスチャンが多いようである。

 掘っ立て小屋に木でできた十字架が立っているところがいくつも見られた。建物にはカラフルなペンキが塗られ、十字架にはビニールのテープなどが巻きつけられておりエスニックなキリスト教となっている。

 またこの島は建物の造りが他のところと違っておりポリネシア系の文化が入っているのがわかる。ゆっくり見たかったがそろそろお尻が痛くなってきたので早く目的地に着いてもほしかった。

 インドネシアは日本より人口が多く約1億4千万人である。それに色々な人種が混在しており政治的に統一していくには一筋縄ではいかないであろう。

 それにしてもケツが痛い!山あり谷ありでアスレチックコースのような行程だ。小川を横切るときはバイクから降りて歩いて行かなければならない。しかしながらこの島の大体の生活がわかり面白くもあった。

 家の前にはイノブタが飼われており記念日にシメルのだろう。初めてイノブタを見た。名前のごとく猪のような豚であった。ブーブー鳴くのではなくブヒブヒ鳴く。

 そうこうするうちにようやく海が見えてきた。2時間半の行程であった。そこはかなり波が高いのが分かる。波の音も半端ではなかった。ここはまさしくサーファーのメッカだ! …続く