60min.(前)
昼12時。今日は外で食べよう。図書館に本を返して、ついでだから雑誌をサラッと見てから行こうと思ったが、8分も時間が過ぎてしまった(TVドラマ『24』風)。
一本裏の道に行く。にぎやかなところかなと思って入ったが大したことがなく、もう一本裏の道に入る。
少し歩くとラーメン屋があった。そこに入る。
すみません!麺切れちゃったんですよ
12:15残り45分。少し行くと弁当屋があった。弁当でもいいか。
肉焼弁当と魚焼弁当がある。奥で弁当をつめている学生らしきバイトに頼もうとしたら、前にいた男とユニゾンした。奥からハーイと聞こえる。
ボクの後ろにいたオバさんは魚焼弁当を頼む。奥からバイトがやってきて『売り切れ』の紙を店頭にはった。最後か。
バイトがつめた弁当を袋に入れた。380円になります。ボクと男はどちらが先かお互い見合った。
一度ラーメン屋で断られているボクは彼にはそんな思いをさせたくなかったので譲った。2,3分後にはボクの弁当もできるだろうから。
彼はお金を払ってそそくさとそこを離れる。バイトはボクを見て、今のお客さんと一緒じゃないんですか。と言う。
男が一つの弁当を分けて喰うわけないだろう と心の中で叫んだ。
もう売り切れなんですよ
ボクは無言でそこを離れた。12:38.絶望の極み。呆然と道を歩く。30分以上ほっつき歩いて昼メシにありつけない。残り22分。
-続く-