物語・小説

明殺50

ジーナ国が人民に対応できなくなった民主主義を捨てて既に 20年が経つ。国名はシーナ国となる。 捨てたといっても独裁政治に変わったというのではない。 簡単にいうと、司法、行政、立法がメイン300で管理された 統治というとピッタリくるだろうか。メイ…

インタビュー

※新人インタビューアーが香具師暦20年以上という男にインタビューしている。 インタビューアー(I):えー、それでは、お聞きします。 香具師(Y):おう。 I :この世界に入ってどのぐらいになりますか? Y:19年だな。 I:20年以上じゃあ… Y:おう。だから19年だ…

出動スイッチ・オン#

「田中くんの実感5の巻き」 ここでの交渉は田中くんがやらねばなりません。 あくまでもあくまでも田中くんの思いつきということで。 「オレ、その授業出てないんだけど、おもしろいの、そんなの」 と言い、女の子を見、イトーを見る。 「いいよねえ」とイト…

出動スイッチ・オン#

「田中くんの実感3」の巻き 「あれ? ~改行 あれどうも。昨日の授業はどもねえーあれだよねえ~」(ちょっと渋谷 のネオンを見上げる) 「え?」 「昨日の」 「え?」女の子二人、顔を見合わせる。 「っほ、書道の授業出てたよね」 再度女の子(たち)顔を…

出動スイッチ・オン#

「田中くんの実感の巻き2」 講義を全部拝聴した友人いわく、「あれ、あの子たち、同じ書道の子」(二度目の「子」は「たち」なし) 田中;えっ? 書道?そんなクラスが存在したとは3年生になるまで知らなかった。 田中君は思ったのであります。やはり自分が…

出動スイッチ・オン#

「田中くんの実感の巻き1」 で、田中は大学を中退しました。 で、フリーター、ある意味その道のエリートコースまっしぐらでさー!(※「デサー」は「です よ」の突き放す系の言い方。つまり『セーラー服と機関銃』の「でさー」) 物語は大学2年に戻る。 2年と…

浦島太郎の真実 完

ということで、太郎は華僑の娘と結婚はしたものの四郎の死により、四郎の形見を隠した娘に疑念を抱いて、空だという玉の手箱を持ち出して、故郷に帰りました。国に帰ったはいいが、家もない。環境も違うということでした。どういうことでしょう。東南アジア…

浦島太郎の真実2

前回の続きですが、そうやって、太郎は四郎を連れ立って旅立つわけです。東南アジアに着いた二人はお姫様に歓待を受けるんですが、このお姫様は誰か?実は東南アジアにいる華僑の娘なんです。まあ、こちらに渡って成功した華僑なんでしょうね。お姫様の特徴…

浦島太郎の真実1

浦島太郎のの真実!ジャジャジャーン竜宮城に行ったのは実は2人だったのだ。物語は亀が子どもたちに棒でつつかれていじめられているシーンからである。亀は嵐に遭い遭難した人です。日本の島にうち上げられた人なのです。肌の黒さを亀の色で表現している。つ…

場所のダイクシス

この暗殺計画は緻密にして繊細なプロジェクトである。 スナイパーには某映画でモチーフにされたことのある超一流の達人が 用意された。 将軍の右にいる者を始末しろ。 命令は簡潔明瞭。指令は秘密結社幹部。 できの一部始終を双眼鏡で除いている。 今だ。や…

時のダイクシス

今日は午後から何もなし。 日ごろから入ってみたいパブがあったので、 入った。店内は明るくもなく、暗くもない。なかなかいい。 壁に「明日ビール無料」 よし、明日も。 翌日はビールをたらふく。それだけじゃ悪いので 値のはるソーセージを注文。お勘定し…

大井川の流れ星 下

ふと思った。辞めよう。 そう思うと体が軽くなった。 そこからはかなり簡単にコトが運んだ。 仕事が終わり、自転車に乗った。 この自転車はここで買った。もう乗らなくなるなあ。 向かい風が大井川を渡っている。夜空はくっきり晴れ上がってる。 スッー。あ…

大井川の流れ星 上

仕事はうまくいっていた。 あまりにも稼働率があがったため、本社の方でも なぜ?という声があがっていた。 あがるはずのない稼動があがる。簡単だ。 常に満室にすればいい。どのホテルでも 1,2室はダブルブッキング対応に残しておくものだ。 しかし、それ…

パン

商店街。男の子と女の子がいます。 パン屋の店頭に置かれたパン。 男の子はパンに鼻を近づけて 「パンって韓国のにおいがする」 女の子もパンに鼻を近づけて 「パンって韓国のにおいがする」 二人は手をつないで立ち去る。 パン:おれたちって韓国のにおいが…

楽園を守るために

楽園。P国はそれです。みんなオウラカで、人を疑わず、善良ということばの権化のような国でした。 ”でした” ん? でした? 今、でしたと… そうなんです。ほろび、ほろばれ、ほろばぬる。 今はなき、P国。どのようにホリビたのでしょうか。検証しましょう。 P…

宇宙はどのくらい広いのですか?

子ども:宇宙って広いんですか? 博士:君はどう思うのかね、ユウジ君? 子ども:とてつもなく大きいと思います。 博士:どうしてそう思うの? 子ども:だって空の上が全部ぜんーぶ宇宙でしょ。 博士:どうしてそう思うのかい? 子ども:そう教わったよ。 博…

救急車でダンス

カーテンごしからあさがあけかかっていることに気づく。それにしてもここはどこだ。 ゆっくり考える。あっ… コノホテルは一人で入ったのか連れがいたのか 覚えていない。昨日おやじが死んだ。家に用事を済ませるため病院を離れた。ちょっとだけの 飲み屋がそ…

合宿の朝

A:あれ、チケット…ああ B:ビール飲む人~? C:あー、オレ今日止めとく F:オレー飲むー B:…じゃ、やめとく F:え、何? B:「健全な体に健全な心が宿る」んだよ A:オメェ健全か? B:君たちが寝ている間、浜辺を散歩して、毒気をみんな出してきたの D:…

白い部屋

かつて、日本には白い部屋というものが存在していたのだろうか。 ジョン・レノンの「Imagine」のアルバムについてた白い部屋のポスター。 私の部屋、っていうか、家全体が茶系だった。これじゃいけない、と思い、中3(受験期)に白いペン(当時、出始めた白…

枕元にいたのは

ゴホゴホ …ウウン …ったく …オホンオホンって …おい! …だからいやなんだよ、この仕事 …ったく オホン、ウゴー、 「ん、ん、え、え? うえ? なんすか?」 君ねえ、あのね、私がね、この仕事してね、初めてだよ、ったく、、1時間も待たされるなんて。 「え?…

ルドの考える”人間性”

ヒトって本当に”(ヒトとして)イキトシイケルモノ”がすべて平等でなければいけないのだろうか。 今(いまだけ?)の人間世界は’Yes’「当たり前やないかい」の方向に流れています。 じゃあ、ホントに? どうして? 日本で死刑になったヒトとアナタは同じ? ……

先端、戦端、千反

A:やっとですよー、もーーう。今なんです。これからじゃ遅すぎなんです、ハイ。 B:そうだな。ヤッパリ。で、何がだね。 A:だーかーらー。だからボス。んーーー。こう説明すれば…(セツメイセナバナルマイ。コウホウショウオウはコ系だけ!!!)英語学習…

短期記憶至上主義1

A:結論として、短期記憶の優劣で第二言語習得の成功・不成功が決まることを報告します。 B:え?何?タンショウホウケ… A:えへん。短期記憶です。 B:何だね。タンケイ何だかというのは。 A:短期記憶です。タ・ン・キ・キ・オ・クです。 B:ほほう。で、ナ…

やっぱり漢字廃止しちゃいましょう

かつて(人によっては「かって」と言うことも)漢字を知っていることはインテリジェンスの表れであった。 この字を漢字で書いてない!!それをわかることは自分の優秀性を自覚できる一つの方法として利用されてきた。 しかしながら、ワープロ、パソコンの普…

カラクサの憂鬱(ルドの場合)

手下のルドにだって悩みはある。いつもカラクサにコビを売り、ジョムジェンにはオスとしてみてもらっていないし、スマートには会いたくないし… でも、一番の悩みはシッポがないこと。ルドがこの学舎をネドコにしていないころ、大学そばにある川のふもとに住…

カラクサの憂鬱

カラクサはここに来る前のことはほとんど覚えていない。今ではここのボスであるが、自分からなろうとしたのではない。ただ、自分を守ろうとしただけだ。 めちゃくちゃ弱いが、喧嘩っぱやい手下のルドと、まだ幼いメスのジョムジェンと一緒に住んでいる。 一…

キズラ 後

平家方、市松宗左衛門の末弟兵衛の子飼、義之岐は弓の使い手である。その武功は将宗左衛門も一目置くところであったという。 薪の束のように矢を担ぎ全ての矢を敵方に当て、矢がなくなるやとっさにはえている木の枝を折り矢にした。その腕前も倶利伽羅峠の戦…

キズラ 前

寛政5年、呉羽山ふもとで竹蔵(35)が熊に襲われ死亡。その熊には顔に傷があり「傷面(きずづら)」と呼ばれた。 が、村人たちは畏怖の念からか、または恐怖からか「キヅラ」と呼んだ。 熊は人を襲うことを覚えると、それがきっかけとなり次々に人を襲うと…

ああ無常

ずうっと昔のことじゃった。彦作のお父さんのお話じゃあ。 彦作のお父さん(以後、彦作父)はおじいの言いつけで呉羽山に薪を拾いに行かされたそうじゃ。彦作父は本を読むのが大好きだったので好きな本を持って山へ出かけた。 好きな本といってももう10篇も2…

冷蔵庫と湯沸かし器

ノターリ・クラーノはこの街に住んでいる。といっても駅前がねぐらである。ようするにフローシャである。歳は50そこそこか。この定位置のまえにはどこにいたのか誰も知らない。 そんな彼がいつの間にやら冷蔵庫をダンボールでこしらえた部屋のとなりに置い…