普遍音楽の妙

 若いときに聞いた音楽は年を取っても忘れない。と言われる。高校のときに聴いた音楽は確かに耳に残っている。

 当時はテープが主流だったので中学生のときからためたテープが山のようにある。やはりCDに比べて音が悪いので捨てようと思うがなかなか捨てられない。

で、引越しの際、100本ばかり捨てた。

 というところで本題へ。

 音楽を楽しむ知能を持っているのは地球上で人間だけである。音楽とは音の連なりではない。音楽とは音のパターンである。

 パターンとは繰り返しのことなので、その繰り返しを聞き分けることが音楽が分かることなのである。それだけではない。人間は音楽のパターンを読み取り、そのパターンを気持ちのよいものと受け取るのでる。

 そして、音楽から感情をも読み取るのである。音のパターンには当然感情などない。人間は音楽をそのように解釈するようにできているのである。

 このことは言語の解釈と似たところがある。声のパターンを聞き取り、解釈する能力は音楽を聴く能力と共通性がある。言語には普遍文法があると言われるが音楽にも普遍音楽があるのではないか。

 言語もそうであるように和楽、洋楽、エスニックの音楽はそれぞれ表面的には全く違うが、それを理解する人間はあるパターンに合致する音の連なりを自然に習得していく。 

 そうであるから母の胎内で聞いた鼓動が最初だろうが、それに続く音楽の感性が鋭い次期に聴いた音楽は一生忘れないのもうなずける。