まず、『座頭一』の握り飯を喰うシーン。この米、精製が悪いのか、古すぎるのか茶色です。葉っぱ
(京樽のバッテラを包んでる葉)に3つ入ってて、汚い手が映し出される。
勝新こと座頭一がひとつ摘む。この握り飯(「おにぎり」じゃない、そんな上品と違う)、按摩をして
もらった代金としてもらったものだ。ユックリと口に持っていく。そして、噛むユックリと。むしゃむし
ゃ。
うーーーーーーーうまそーーーー。味わってるよーこの人。
それから!
数切れのたくわんに手を出す。これもゆっくりゆっくり。なるべく音をたてないかのようだ。まっすぐ
前を見ながら(まあ、座頭一は目が見えないのだが)が小口で先っぽの方をかじる。漬け過ぎたたくわん
の音を口から小さくもらす。
このシーン、グルメ(この字のアルファベットって「グルメ」って読めないよね)で知られる金持ちの
Aさんが見たらすぐにそれを食べさせてくれるように秘書である鈴木に頼むに違いない。