『認知言語学を英語教育に生かす』を読んで

読書感想文です。

まず、本が厚いわりには、字が大きく、1ページの字数も少なく、
いい意味も、悪い意味でもすらすら読めます。

前半が理論面で、後半が実践面です。
理論面は分かる人にはわかるが、分からない人にはわからないかなあと思います。
実践面は文型の人の苦手な計算式などがあります。でも、文系なりの処理で
十分、表(ひょう)にできると思います。

認知言語学を英語教育に生かす』をどう生かせるのかと期待しました。

前置詞、in on atの習得を見ています。それぞれのイメージを図を使い、
プロトタイプから外れるものをイメージさせる方法です。それで、
実験群と統制群に分け、実験群のほうが有意に高かったそうです。

でも、前置詞または日本語の助詞を図で表すのって、以前からやっていることだよねえ。
わざわざ認知言語学持ってこなくてもいいのでは。

「前置詞の複数の用法が導入され、用法間の関連性を学習者が見いだしにくくなったと時に
認知言語学に基づくアプローチを導入するのが望ましいp125」とおっしゃってますが、
こんな簡単な図は最初から提出しておいたほうがいいと思います。

また、プロトタイプから外れるものは実験群でも成績が悪く、これをどうしたらいいか
何も書いてありません。逃げの、こん後の課題でしょうか。

習得しにくい複雑な規則がある場合は、リキャストなどの暗示的指導が有効かと思います。