エキゾチック ジャパニーズ

 「熱い」に「~そう」を付けて「熱そうだ」は問題がない。

 では「熱くない」に「~そう」をつけたら?そうです(一応ダジャレ)。「熱くなさそうだ」だ。この「~なさそうだ」の「さ」は何なのか。どこからきたのかわからない。今では過剰類推で動詞の否定形(A)や語尾が「ナイ」の形容詞(B)の「~そう」にも付けるヒトがいる。

 A 食べなそうだ/食べなさそうだ
 B つまらなそうだ/つまらなさそうだ

 また、同類の否定では「食べそうにない」がある。意味の違いは否定のスコープ(領域)の差であるが「~そうにない」の「に」は何なのかわからない。一見したところ形容動詞的なふるまい(機能としての働き)をする「~そう」ではあるが通常の形容動詞は「ない」に膠着すると「~では(じゃ)ない」となり「ニナイ」とはならない。

 またまた、動詞の「そう」の否定は「~そうにない」(C)だが、形容詞、形容動詞の「そう」の否定は前で述べたが「~そうでは(じゃ)ない」(D)となる。な~ぜ~。

 C 食べそうにない/*食べそうじゃない(~じゃありません)
 D ?熱そうにない(~にありません)/ 熱そうじゃない 

 それから、そう感じる、そのように思うという意味の「~がる」は「嫌がる」は言えるが「*好きがる・*嫌いがる」は言えない。な~ぜ~。

 それからそれから、「おしり」があって「お頭(あたま)」がない。不公平だ。「カレーライス」の反対「ライスカレー」があるのにもかかわらず「わかめソバ」の反対「*ソバわかめ」(「*」は存在しない標識)がない。不思議だ。

 E 本が赤い → 赤い本
 F 人が多い → *多い人 → 多くの人
 G 人が少ない → *少ない人 → *少なくの人 → わずかな人

 Eだと問題がないが、Fの人を修飾しようとすると「多い」を連体接続用にしなければならない。「少ない」にいたってはそれもダメで違う言葉をもってこないといけない。むずかしーーぞ!日本語