天使の傘

昨日、図書館の傘立てにビニール傘を置いといたらなくなっていた。しかたがないので誰かのビニール傘を借りて帰った。

 途中買い物するのにスーパーに寄った。店先の傘立てに入れて、買い物を済ませると、また傘がなくなっていた。

 代わりに誰かの傘を持っていくと連鎖が起こるので傘をあきらめ雨の中を傘をささずに帰った。

 すっすると!道の途中で天使が僕に近づいて来て、

 これはあなたがなくした傘ですか と金の傘(Golden umbrella)を僕に差し出した。
 
  いいえ 違います 僕は言った。
 
 それでは、コレですか と銀の傘(Silber unbrella)を僕に差し出した。
 
  いえ

 それでは、私がさしてるこの傘ですか と自分のさしている木の傘を指差した。

  いいえ あのう、濡れるんでもう帰っていいですか 僕は早く帰りたかった。
 
 あなたは正直者です この金と銀の傘をさし上げましょう
 
 いらないです 片手じゃ持てないんで 

 これを聞いた天使はちょっとムッとした。天使も人の子。
 
 あなたのさしてる木の傘ならいただきましょう

 そうすると私がぬれるじゃない! 

 突っ込みは忘れなかったようだ。
 
 そうですか、じゃあ いらないです そう言って通り過ぎようとしたとき天使が僕の傘を隠し持っているのがチラッと見えた。
 
 天使は僕を試したのだ。しかし泥棒には違いない。その日、ちょっと風邪をひいてしまった。