意味ってどういう意味?

 「ないものはない」とはあるのかないのか?いわゆる二重否定だと否定を否定するので「ある」になり、「ないものは本当にないのだ」という意味だと「ない」になる。

 それではふたつの意味があるということか?否である。「意味」の定義にもよるが、場面での意味は一つとなる。

 語用論では言語使用場面をそこで取り交わされるであろうと予測される会話や言語的指向も含めて「文脈」という。

 量販店での文脈では「ないものはない」は「すべてのものを揃えている」となり、借金取りが貧乏長屋に催促に来た文脈では「払えるお金などない」という意味となる。

 では文脈が決まれば意味も必ず一つとなるか?これも否である(オイオイ)。場面により一つの意味に集約される確率が高い程度のものである。

 例えば、いくら大型の量販店でも数十年前の型をも揃えているとはいえないであろう。

 じゃあ、厳密にいって「意味」というものはないのではないか?否。意味は伝達者が聞き手に伝えたい「内容」である。その「内容」がなければコミュニケーションはなりたたない。ただ聞き手が意味を一つに絞れないだけである。

 それじゃあ聞き手側の「意味」はないのか?ある。通常「解釈」と呼ばれている。伝達者(話者)の意味(意図)が解釈できないとき「意味がわからない」といえる。

 じゃ、伝達者だけわかる「意味」は「意味」といえるか?上で「意味」の定義をしていないのでなんと言えないが、伝達者が伝えようとしているならば意味と捉えてもいいように思える。

 要するに「意味」とは何であるか?簡単である。

 「意味は意味である」←うまい逃げ方(オイオイ)?