伝わる人柄

 プロレスラーは対戦相手と組み合うと、一瞬にして相手の実力がわかるそうである。

 コトバも同じで、初めての人と少し話しただけで、人柄がわかる。

 1.僕って朝弱いじゃないですか?

 この「~じゃないですか」男は客観的な思考ができないのではないかと思う。

 聞き手は「知らねーよ」と言いたいが、そういう人はそういう人なのだとも思う。

 「じゃないですか」男は聞き手が自分のことをそこまで知らないと考えることができない。そして自発話の確立のために相手を引き込もうとする。その戦略(ストラテジー)が「|じゃないですか」である。

 2.すごいおいしいです!

 「すごい」は形容詞である。形容詞は後続する品詞が用言(動詞、形容詞など)の場合、「すごく」としなければならない。小学校の視察団に来ていた女性のインタビューで「すごい勉強になりました」と言っていた。

 まだ勉強が足りない!

 次はちょっと違うけどオーストラリアにホームステイした女の子の話。

 彼女は母親から電話がかかってきてステイ先の居間で日本にいる母親と話していた。それを聞いていたホストの女性が心配そうにそれを眺めていた。

 電話が終わると、ホストの女性が、母親にそんなこと言うもんじゃないよ、と女の子に言った。女の子は何を言われているのかわからなかった。

 後から詳しく聞くと電話口でのあいづちが原因であることがわかった。女の子は「あ、そう」を連発していた。これを女性は「Ass hall」と聞こえたのである。

 自分のコトバがどう伝わっているか、考えさせられる出来事である。