マイコの場合(前)補正版

 なんとなく教職でも取っといたほうがいいかなと思って、で、通常の倍ぐらいの単位をとることになった。

 で、今日は教育実習である。七尾高校という実家から近い高校だった。出身校が基本なので、ここは私の母校なのである。

 高校生って大人だと思ったけど、実際会ってみるとまだまだ子どもだねー。(それとも私が年を取った!?)

 で、まー、授業は国語を担当した。「つれづれ草」なのである。

 高校のときは真剣に読まなかったが、自分が担当するとなると読まないわけにはいかない。

 読んでみるとなかなか手ごわい!意味がわからないところや文法が曖昧なところなど問題山積みである。

 一通り解釈するのに2時間かかった。もし学生から文化背景的なことを聞かれたらどうしよう。と考えると次から次へと問題が出てきた。だんだん不安になってきた。

 当日。教室に入る。「起立、礼!」。高校生のとき、自分がここに立つとは夢にも思わなかった。

 でー、授業が進む。みんな、静かに聴いている。 「では、56ページを開けてください」 学生がいっせいに本を開く。おーこれが教師なのかー。

 学生をいっせいに動かすことこそ教師なのである。

 学生は誰も質問もしない。ただ聞いているだけ。本当にわかっているのだろうか。でも、学生を当てると、正確な答えがかえってくる。

 考えてみれば、自分も学生のとき質問などしなかった。

 何の質問もないので実際の進度よりも早く進んでしまった。まいったな~      
              <続く>