マイコの場合(後)補正版

 でも、まー何とか授業が終了した。

 あとから担任の先生に「なので」を使うなと言われた。「ナノデ?」

 例えば、AはBです。なので、AはCです。というように接続詞として使う「なので」である。

 担任の先生の言い分では「最近の若者がよく使っているが、学生がマネをして使うようになったら大変」なのだそうだ。

 確かに、この間、就活で30代後半の面接官の発言で「なので」が出ていた。そこで、まじめな私は辞書で調べてみた。

 「なのに」は接続詞でも使うと書いてあった。

 1.日曜である。なのに彼は会社へ行く。

 (1)がいいのなら「なので」もいいじゃないかと思ったが、「なので」には接続詞のことは書いてなかった。

 でも、そんなことよりもっと気をつけなければならないことが一杯あるだろう!

 でー、なんだかんだで、11回も授業を担当した。なんか雰囲気にも慣れてきた。今日、12回目、最後の授業である。1年生のホームルームの時間である。
 
 高校一年といったらまだ中学の延長である。3年の古文の時間と全然違った。

 みんな、色々質問してきてびっくりした。みんな活き活きしていた。

 、先生!、先生! うるさいぐらいだった。初めて学生と一体になれたような気がした。最後の授業のせいか、今までに味わったことのない感覚からか涙が出た。

 自分が高校生のときも実習に来ていた先生が泣いたものであるが、その気持ちがこれだったのか。

 授業が終わって担任の先生は「おつかれさま」と言ったほか、気に留めていないようであった。慣れというものは全てを鈍化するんだなあ。

              <終わり>