ある?いる?

 
 他には「あります/います」の使い分けでもある程度レベルにより違いが分かる。しかし、どのような状況でそれが生成されたかで違いがでる。

 「ある/いる」の間違いは意味が通じるからか、直されることが少ないようである。よってOPIの中級レベルでも誤用が時たま見られる。

 1)24人があ…います
 2)2チームがいます・点がいます・ボードがいます

 上の発話は同学生である。中級-中である。(1)で「ある」と言いそうになり、すぐに「いる」に言い換えている。自分の発話をモニターし、自己訂正できたのである。しかしながら、それが引き金になったのか、その後の質問の返答では(2)のように「ある」のカテゴリのものが全て「いる」になっている。

 簡単な質問なら自己訂正できても、質問が高度になると自己訂正が困難になる。因みに質問は「Aマット」というゲームのルール説明である。これは段落単位でないと説明できない。つまり上級の質問になる。

 中級話者に上級の質問をしてどの程度できるかを測るのであるが、この学生は何とか段落単位で答えてはいたが、内容はともなっていなかった。

 発話処理に費やされる負荷を高めれば、何でもないようなことも間違ってしまうことがあるのが、上の学生の例で分かった。