使役形の非他動性

 これは酔っぱらって書いていません。本気です。

 「食べる」は他動詞で、使役形は「食べさせる」です。

 「起きる」は自動詞で、「起こす」が他動詞ですが、使役形は「起こさせる」です。使役形の場合「~

に」に当たる有情物(主にヒト)が「起こす」行為をします。じゃ、「起きさせる」はどうか。自動詞

「起きる」の使役形です。かつて、日本語にまつわる辞書で「起きさせる」は非文であると書かれていた

ような…。まあ、いいや、これは主語に立つ有情物が「に?/を?/自分で/一人で」の有情物に他者から

の手伝いなしに「起きる」ことを強要することです。つまり、行為者と被行為者が同一であることが注目

されます。主語の人は強要権をもっていますが、その意思決定は主語の人になく被行為者が握っているこ

とになります。

 「抜く」はどうでしょうか。他動詞です。そして、自動詞が「抜ける」です。使役形は「抜かす(抜か

せる)」「抜けさせる」です。「腰が抜ける」で考えると、「抜かす」のほうになります。「Aは腰をぬ

かした」という表現は、もはやAには強要権も決定権もありません。使役形の他動性がなくなり、ある現

象に関与する者という存在になります。