学生と学習者

 ある日本語教師からコンナコトを聞いたことがあります。
 A:「この学習者って言い方、好きじゃないんだけど、~~で、学生が~」

つまり、「学習者」って言いかたにケチをつけているわけですが、私としては「学習者」のどこが悪いのか分からず、ずっと、「?」のままいたのです。Aさんが「学習者」という言い方が悪いとしているのは人間は生きている限り学習し続ける者で、わざわざそう呼ばなくてもいいのだということだろうと最近思いました。

 でも、ちょっと見てみましょう。

 「学生」と対になるのは「先生」です。どちらも「○生」ですね。「生」を「人」とすると先生が「先の人」で学生が「学ぶ人」になります。この対は縦の対ですね。上下と言い換えてもいいです。

 牛丼で例える(?)なら、下の白米が学生です。タブララサ(白紙の状態)で、上にのっかるタレで煮た牛肉が先生となります。ツユダクの先生は学生にのっかってですね、染み出してくる汁でもって学生に色をつけるのです。茶色だーーー!茶色だー!!

Aさんは学生に慕われている自分という状況が、いわゆる良好な関係が「学生」ということばをプラスにイメージしたのだと思われます。でも、それって上下関係なんですけどね。独りよがりの想像だと思いますよ、それって。

 B:これは私の学生です。
 C:??これは私の学習者です。

やはりCはおかしいですからね。一方、「学習者」に目を転じると…

対になるのは先生ではなく、「学習項目」です。「日本語の学習者」はOKですが「日本語の学生」は変ですよね。あのう、因みに「日本語科の学生」はOKですから。後者はOKなのでは思った人は意味をスライドさせたのでR。 

 カレーに例える(?)と、教師は福神漬けやラッキョなんです。あった方がおいしい。あった(いた)ほうが効率的ってなもんです。

このような甲は嫌で乙が良いというのは「被験者」と「協力者」、「外人」「外国人」なんかも一議論ありますね。一般にも外人はダメで、外国人は良しとするってことになっっていやすが、「外国人さん」っちゃあ奇妙でしょ。