言語学者は天才なのだ

 「ジョンがその仕事にメアリーを向いていないと思った」(Hirakawa2001)
 この文正しい?正しいことになっているんです。というかこの人は正しいと思っているのです。

 「ジョンが向いていないと思ったのは、ジョンがその仕事にだ」(Koizumi1995) 
 どうでしょうか?まあ、言えないこともないではないでしょうね、言わないけど。

 「山田は彼が天才であることを知っていた」山田=彼(久野2005)
 この先生は有名ですよ。何冊も本を出していらっしゃいます。その中によくこのような文がみつかります。どうも正しいとは思えないんですが私のほうが間違っているのでしょうね。これは適確文なのです、はい。

 「水泳選手にはこの台からが飛び込みにくい」(井上2005)
 そうですか。わかりました。他の台からにしましょう。

 「雅夫にとってその郵便局からが小包を送りやすい」(Kuroda1987)
 雅夫がどこからでも送れるように郵政省も考えなければなりませんがこの文もちょっと考えていただきたいものです。

 上記の文は言語学論文の例文を抜粋したものです。このような文は生成文法系の研究者の論文に多いです。自分(私?研究者?)の母語が本当に日本語なのか疑ってしまいます。
 どうもコトバ世界に空回りしているとも思えます。けれども偉い先生にこの文は適確文なのですと言われると素直に従ってしまいます。

 これはヒニクではありません。コトバです。アナログのコトバをデジタルで解釈すると正しくなります。科学はデジタルです。正しいのです。

 アナログとデジタルのヒズミは実生活には及ばないので安心してください。もしデジタルが入り込んできたら笑われるだけですから。