影の内1

 お子様をお持ちの方は不快になると思われる箇所があるかもしれませんので、このタイトルの際はとばしていただいことを望みます。もし、それでも不快であれば、ご一報ください。すぐに削除いたします。

 この事件は迷宮入りになると思われた。しかし、2度目の逮捕で終止符がうたれた。が…。

4年目富山で起きた悲惨の誘拐殺人事件を追う。

 pm8に滑川署に子供が帰ってこないという連絡が入る。所轄の西警部がM家に到着と同時に電話がなる。

 身代金は要求しなかったが明らかに誘拐であった。3日後手紙が届く。後にこの手紙の書き方で真犯人が推定される。

 2週間後、ミューズパークと海岸に挟まれた雑木林で幼児の遺体が発見される。まだ生きていると思われるほど傷ひとつないものであった。

 トップに来てもおかしくないこの事件に関して報道はあまり関心を見せなかった。それは当時世間の関心がスポーツ選手の殺人事件に集中していたからである。どのチャンネルを点けてもこの話題で持ちきりであった。

 のち、数億を使って優秀な弁護団を雇い、無実となるが、他の関連したことがかさなり、裁判終了後も、話題に事欠くことはなかった。

 さて、話を幼児殺害事件に戻す。捜査においても、スポーツ選手のゴシップ以上のものではない事件に影響されていた。

 捜査部署を設営するにあたり、2つに事件のどちらに力を入れるかという問題で、警視庁、警察庁の意見が分かれた。警察庁は幼児殺害事件に、警視庁はスポーツ選手による殺人事件にポイントする姿勢を固めた。

 表面上は合同捜査ではあったが、中身は縦割りの連絡網で、発表は警視庁をたてて、警視庁からの発表とした。内実は警察庁のほうが地の利もあり、情報を多くいつかんでいた。

 初期の陣営は警察庁から、宮田が、警視庁からは山内が指揮を執ると見られたが、迫田が指揮を取ることとなった。迫田はエリート中のエリートで捜査にはあまり関心を寄せなかった。履歴に傷がつかないことだけ願った。

 約一ヵ月後、ある男が任意同行を求められる。報道はいっせいに犯人逮捕と書いたが、後に釈放される。居酒屋「幸福房」の主人金谷である。 -続く-