Aこれは本です。
Bこれが本です。
通常、Aが無標でBが有標になると思います。
しかし、文脈があると、それにしたがって無標か有標に分かれます。
つまり、言語形式、文脈それぞれに標識がことなるということになり、
下で示した4通りがあります。
言語形式 文脈 文脈上の発話
①無標 無標 → 無標
②無標 有標 → 有標
③有標 無標 → 有標
④有標 有標 → 無標
論理学の入門辺のような構図ですが、解釈から考えると妥当だと思います。
これを「のだ」文で分けると言語教育にも応用が利くのではないでしょうか。
一例だけ、
A:(お腹がおさえて苦しそうな様子)
B1:どうしたんですか?
B2:どうしましたか?
文脈が有標でB1(有標)の言語形式なので④の文脈上は無標の発話となり、
B2文脈が有標で言語形式が無標だから②の文脈上は有標になります。
B2はなんだか、冷たい感じがしますね。
まあ、プロソディでどうにでもなることはさておいて…
で、
しかしながら、Bが医者の場合、文脈は無標なので上と違った解釈となります。
①~④の状況を考慮に入れると、各違いを明確にでき、マッピングがしやすくなるのでは
ないのではない(→これも無標)でしょうか。