女性の推意と男性の鈍感差

 数十年前、海草石鹸というのが流行っていた。字のごとく海草でできた石鹸でダイエットの効果があるとされ、非常な売れ行きだった。

 一個3千円もした。ある日勤めていた日本語学校の近くの店先に『海草石鹸、半額!』とあった。

 ひものような生活をしていたボクにとっては1500円でも高かったが、お世話になっている彼女のプレゼントとして一つ買った。

 今、これ流行っているそうだから買って来たよ。高かったよ。3千円だよ。 と半額で買ったことなど決して言わなければ喜ぶと思ったが…

 何?わたしが太っているということ?  とムッとされた。
 イヤイヤ あのー違うんだよ これ使うと肌がキレイになるそうだから…

 何?わたしの肌がキレイじゃないということ? とまたまたムッしだす。

 イヤイヤイヤ あのー違うんだよ  今の肌のキレイさをよりキレイにするのにいいのかなーって

 ああそう と浮かない顔。なんでそのように受け取るのだろうか。

 また違う話だが、学生のとき付き合っていた彼女と新しく出来た居酒屋に行った。カップルは少なく友人同士で来る客が多かった。

 ボクはそれを見て、楽しそうだなあ。こういうところは友達で来るのがいいねー と。

 そしたら彼女が、どうしたことか、

 わたしと来るのが嫌なの? と。どうしてそう受け取るかなあ。

これって女性が悪いのではなくボクが鈍感なだけ? 

 女性独特の推意の発生の仕方は確実に男のそれと違う!